安いワインと高いワインの違い|その理由を徹底解説

ワインは値段が高いものを買えば間違いない。そう思っている方が多いかもしれません。

でもお手頃価格でも美味しいワインに出会ったことがある。そんな体験を持っている方も少なくないのでは。

値段相応、値段のわりに美味しい、値段に見合わない・・・等々、飲んだときにしか味がわからないのもワインのおもしろさです。

 

最近は購入しやすい値段のワインが増えてきましたが、依然として手の届きにくい高級ワインも存在しています。

やはりワインの価格と美味しさは比例するものなのでしょうか。

値段と美味しさの関係を知っておけば、さらにワインの楽しみ方が広がるかもしれません。

高いワインになる理由

高級なワインには、相応の理由があります。

しかしもっともわかりやすい大きな要因として、“使用されているブドウの違い”と“ワインの製法が違う”ことが挙げられるでしょう。

お手軽価格なワインは、利益を追求してつくられています。だから当然、「質よりも量」を重視したタイプ。

でも高級ワインは、その真反対の精神でつくられます。

ブドウの選び方や製法の違いでワインの味も変わるので、それは当然のことだといえるでしょう。

ブドウ樹の育て方と収量

ワインの良し悪しはブドウで決まる。そういわれているほどブドウ選びは重要です。

だから最高の果実をつくるなら、果実数を絞りながら育てることが大切なのです。

一本の樹から摂れるブドウ果汁を搾る量を収量といいますが、高級ワインのブドウをつくるときは収量に制限を設けています。

そのため枝を剪定して果実数を制限したり、果実数の制限がしやすい樹齢が高いブドウ樹を使っています。

ところが安いワインに使われるブドウは、収量制限をしていません。

丹念に育てられているブドウ樹と自由奔放に育てているブドウ樹では、同じ大きさの畑でも収量が格段に違ってきます。

さらに果実の品質にも大きな差がでてしまい、この差が原価にでて、ワインの値段に反映されます。

製法の工程

ワインはつくり方も重要ですが、保存方法や場所、また発酵のさせ方や運搬方法なども値段に関わってきます。

つまり「どれだけていねいに扱えた」のか、ワインづくりにかけた手間や時間が、そのまま値段に関係してきます。

しかし製法はワインの生産国や地域によってさまざま。

収穫方法も機械と手作業に違いがあったり、運搬方法も大きなトラックにブドウを一気に積み込む方法もあれば、小さなカゴに入れて、何度も人が往復する手段を
とっているところもあります。

 

また醸造は、手軽で衛生面に優れたステンレスタンクで行う方法と手間がかかる昔ながらの樽で行う方法があります。

樽での醸造は温度や衛生管理が大変ですが、樽ならではの成分や乳酸菌などがワインの味わいにコクや風味を与えてくれます。

高級ワインであるほど、醸造や熟成の段階で樽を使用している生産者が多いのもそのためでしょう。

このようにワインが出来上がるまでの工程は高級ワインと安いワインで少しずつ違います。

最終的には手間がかかってつくられたワインほど、高くなっていくのも納得ですね。

熟成期間

ワインは熟成期間が長いほど、高くなる傾向があります。それは発酵や醸造という工程管理が大変だから。

温度、湿度、振動、菌のコントロールなど、気候によって変わる環境を考慮しながら熟成させていくのです。熟成には熟練の技術や知識が必要で、だからこそ熟成期間の違いが値段にでます。

基本的に安いワインは余計なコストをかけまいとするため、管理のしやすいステンレスタンクで行うことが多く、熟成期間も短め。

反対に高いワインは樽を使用することが多く、熟成期間も長めです。

その違いはスパークリングワインだとわかりやすく、安価なものはほぼ瓶内熟成期間をとっていませんが、高級シャンパーニュなら、瓶内熟成に10年以上かけるものもあります。

瓶やコルクの違い

ワインは瓶に入れられたあとにも成長し続けます。

これを瓶内熟成といい、購入後にワインセラーなどで静かに保管しているのはこのためです。

数年から数十年の熟成を視野に入れてつくられているワインと数カ月単位で消費されるワインでは、使われている容器(ボトル)にも違いがあります。

長期熟成に適したボトルほど瓶底の窪みが深く、頑丈で重厚にできており、高級ワインはこのタイプのボトルを使用しています。

 

また、使用されるコルクの種類によってもワインの値段(ランク)の違いがわかります。

高級ワインには木目が細かく、長い熟成に耐えられるよう、細長いタイプの“天然コルク”が使用されています。

しかし安いワインは、粒状にしたコルクを細かくして圧搾した“圧搾コルク”や、“合成コルク”と呼ばれる樹脂製やプラスチック製のものがほとんどです。

コルク単体の価格は、およそ数十円~数百円ほど。このコストの差が値段やワインのランクにでてきます。

希少性(生産量)

ブドウのでき具合(生産年)や生産者のポリシーなどで、同じワイナリーでもワインの生産数が変わってきます。

生産数が少なければ希少性が上がるので、値段は高くなることがあります。

なかでもブドウの当たり年や人気のある・なしという評価はワイン市場において重要で、市場での価格に大きく反映します。

ブドウの当たり年に生産された有名な生産者が手掛ける本数の少ないワインなら、どうしても人気が高まります。

そのため流通本数は少なくなり、お値段も高騰するわけです。

信頼できるブランドこそ高級ワインに

ワイン生産者の努力が味にでて、それが消費者からの信頼となり、やがてワインメーカーはブランド化していきます。

ブランド力は信頼の証なので、それだけで価格はアップします。

例えばシャンパーニュ地方のスパークリングワインは、いまや高級スパークリングワインの代名詞になっています。

「シャンパーニュなら間違いない」そんな信頼や期待値で市場では最初から高めの価格で取引されています。

さらにワイン名がブランドになっている「オーパス ワン」、「サッシカイア」、「ティニャネロ」なども売れるのがわかっているせいか、最初からお高め。

これらは長い歴史のなかで徐々に人気がでてブランド化していったものなので、品質の高さや美味しさは折り紙つきというわけです。

 

また、ハリウッドスターのブラッド ピットとアンジェリーナ ジョリーが南フランスで所有している「ミラヴァル」や、サッカー選手のイニエスタが所有している「ボデガ イニエスタ」などは、オーナーが有名なことで、ブランド化されているワインです。

需要と供給が価格に影響

ワインは記念日や祝い事で飲まれることも多く、貴重なワインがテーブルにでると大変喜ばれます。サプライズ感、飲んだときの幸福感。

そんなものを求めてか「希少性のあるワインを手に入れたい」という人は世界中にたくさんいます。

こうした動きがもともと本数が少なく高いワインに付加価値をプラスして、恐ろしい値段をつけることもあります。

 

名前は知っているけど、一般人には手に入れられないワイン。その代表といえば「ロマネ・コンティ」でしょう。

そもそもロマネ・コンティは、生産本数が多くありません。

しかし、どんなに高くても買いたいという人がいて、値段は高騰する一方。

どの世界でもコレクターや愛好家はおり、希少性が増すほど、値段は高騰していきます。

 

しかし同じ年のワインは2度とつくれませんし、飲んでしまえば消えてしまうもの。

そのはかなさゆえか過去数十年を例に見ても、高級ワインの価格は上昇するばかりで、価格が下がるという現象はほとんどおきていません。

確かに低コストでつくられたワインよりも、高級志向でつくられたワインには、ほかでは味わえない“オンリーワン”な魅力があります。

こういった過熱ぶりは、投資の対象ともなっているから驚きです。

まとめ

人には好みがあるので、高級ワインだからといって誰が飲んでも美味しい、というわけではありません。

しかし普段飲んでいるテーブルワインと比べれば、明らかに香りや深み、味が違うとわかるでしょう。

きっと飲む人に穏やかな時間を提供してくれるはずです。

好みに合う高級ワインを選べば、最高に幸せな気分になれるはず。たまには奮発してみるのもいいかも。