イタリアワインの品種について|赤と白で一覧まとめ

毎年発表されている国際ぶどう・ワイン機構の発表によれば、ワイン生産国1位はここ最近ずっとイタリアです。

では一体、人気の高いイタリアのワインとはどんな特徴を持っているのでしょう?

最初にまず注目したいのがイタリアの広さです。国土が南北に約1000kmも伸びているイタリアは、場所により大きく環境が異なります。そこへ歴史的な背景も加わり、地域ごとに独自の文化が発展していったのです。

その影響で育てられてきた土着のブドウ品種も多種多様。1000種類以上もあるといわれているブドウ品種は、多くの個性的なワインをつくりあげてきました。

“把握しきれないほどワインの種類が豊富” それこそがイタリアワイン最大の魅力なんです。

今回は、そんな数あるブドウ品種のなかでも特に覚えておきたい代表的な品種を紹介していきます。

赤ワイン用の品種

バルべーラ

イタリア北部のピエモンテ州を原産とするブドウ品種で、ピエモンテ州とロンバルディア州で多く栽培されています。

サンジョベーゼに次ぐ栽培数を誇る品種で、テーブルワインとして親しまれてきましたが、近年は高級志向でつくられることも増えています。

濃厚な果実味とスミレを思わせる香りを持ち、鮮やかなルビー色が特徴。

ワインはフルボディよりのミディアムボディタイプが多く、酸味とタンニンが多い、刺激的で素朴な味わいです。

サンジョベーゼ

原産は中央部トスカーナで、イタリアで最も多く栽培されているブドウ品種です。

そのためカジュアルなワインから、キャンティなどの高級ワインまで幅広いワインに使われており、最近ではイタリア以外でも栽培が盛んな品種です。

この品種の特徴は、果実味、酸味、タンニンのバランスがいいこと。濃く美しいルビー色も目を楽しませてくれます。

フレイバーは、スミレや果実など華やかで甘め。

酸味とタンニンが強めなので熟成に向いている品種ですが、熟成されると酸味が弱まりエーテルの香りが強くなる傾向があります。

また育てやすさから多くの亜種が存在していますが、なかでも有名なのがサンジョベーゼ・グロッソです。

サンジョベーゼを品種改良したもので、主にイタリアの高級ワインとして知られるブルネッロ・ディ・モンタルチーノなど、長期熟成ワインの原料となっています。

ピノ・ネロ

ピノ・ノワールと同種で、イタリア語名にしたもの。軽やかさと華やかさが特徴のブドウ品種です。

赤ワインとして醸造される場合は、酸度が高いためオークの小樽で長い時間をかけて発酵させ、10~20年かけて熟成させるのが一般的。

ややタールを思わせるような香りと焼きリンゴ、トリュフのような風味があります。

一方白ワイン用は、シャルドネ種とあわせてスプマンテの原料とされることがほとんどです。

ネッビオーロ

ピエモンテ州でつくられる品種のなかで最も高級な品種。

ピエモンテ州以外でも良質のワインの原料になっていますが、繊細で栽培が難しいともいわれています。

ネッビオーロにはランピア、ミケ、ロゼ、ボッラの4種があり、このなかで生産量も栽培量も一番多いのがランビア。

ロゼとボッラは、現在ほとんど栽培されていません。ミケは生産量が少ないながらも品質が高いことで有名です。

バラの花やプラムのような香りを持ち、色は薄いガーネット。しかし熟成するにつれ、オレンジ色を帯びてきます。

アルコール、酸、タンニンともに多く、長期熟成タイプのワインに向いています。

グリニョリーノ

主にピエモンテ州で栽培されているブドウ品種。

淡いルビー色をしているのに酸味もタンニンも豊かで、少し苦味も感じるワインを生みだしています。

一部の土地でしか栽培されておらず生産量も減少していますが、見た目以上に個性的な味わいが魅力で、歴史のあるブドウ品種です。

ドルチェット

イタリア北部で栽培されている品種です。元はネッビオーロ種よりもたくさん栽培されていましたが、現在では栽培数がぐっと減り、地元民に愛されるデイリーワインの原料として使われています。

早熟タイプの品種ですが果実味が豊かで、酸味、タンニンともに柔らかめ。若々しいルビー色も特徴です。

一般的には若いうちに飲まれるワインですが、苦みを含みながらも適度な厚みがあるので、つくり方によってはコクのある熟成タイプにもなります。

白ワイン用の品種

トレッビアーノ

世界中で2番目に多く栽培されているブドウ品種で、フランスではユニ・ブランといわれています。

イタリアでも広く栽培されており、醸造される白ワインのおよそ3分の1を占めています。

系列品種で主要になるのはトレッビアーノ・トスカーナ、トレッビアーノ・ロマニョーロ、トレッビアーノ・ジャッロの3種。

トスカーナ種は、混醸して辛口の白ワインになるのがほとんどです。

ロマニョーロ種も辛口タイプの白ワインになることが多いのですが、果実の香りが強いためヴェルモットやウイスキー、バルサミコ酢の原料として使われることもあります。

ジャッロ種は、わずかに甘みを感じる白ワインになります。

モスカート

日本では英語のマスカット名で知られているブドウ品種で、イタリア全土で栽培されています。

そのためイタリアの白ワインといえば、ほとんどがこの品種。

栽培用ブドウとしては最も古い品種のため、とにかく種類豊富。

モスカート・ビアンコ、モスカート・ジャッロ、モスカート・ローザの3つを覚えておくといいでしょう。

この品種からつくられるワインは、ほぼ甘口タイプで、爽やかな酸味とフローラル系の甘い芳香が特徴です。

マルヴァジア

こちらもイタリア全土で栽培されている品種。

そのためやはり種類も多く複雑ですが、覚えておくべき主要なものはマルヴァジア、マルヴァジア・デル・キャンティ、マルヴァジア・ビアンコ・ディ・カンディアの3種です。

栽培地によりまったく異なる風味を持って育つため、味を確定することが難しいといわれています。

例えば石灰質の丘陵地帯でとれたものは、黄色がかった麦わら色でアルコール度が高く、アンズや桃のようなアロマティックな甘口ワインに仕上がります。

しかし平野部で育ったものは緑色がかった麦わら色で、アルコール度も低くレモン香を持つ飲みやすいワインになります。

そしてビアンコはモスカートに近い味わいを持っているといわれ、マスカットのような風味と芳香を持ち、甘みが強いワインになります。

3種を比較してもまるちがうタイプのワインですね。

ヴェルディッキオ

平野部がほとんどないマルケ州とアブルッツォ州を代表するブドウ品種。

名(ヴェルデ=緑色)がしめす通り、緑がかった澄んだ色が特徴です。

ヴェルデ種は柑橘系の風味があり、緑がかった黄色をしています。フレイバーはりんごや梨など、新鮮なフルーツ香がします。

ジャッロ種は、軽い口あたりのなかに蜂蜜のようなコクを感じられます。アカシアの花のような香りを持ち、甘口のデザートワインになります。

トレヴィジャーノ種は黄色がかった麦わら色で、繊細さの感じるフルーティーさが特徴の辛口ワインになります。

ピノ・ビアンコ、ピノ・グリージョ

北イタリアで栽培されているブドウ品種。ビアンコ種は酸味があり、アルコールも高くなるため長期熟成に向いています。

緑がかった麦わら色をしていて、若い頃は花やフルーツなどの香りがあります。

しかし熟成すると金色を帯び、アーモンド香がしてきます。

グリージョ種はフルーティーで干し草やクルミの外皮のような香りを持つワインになります。こちらは長期熟成には向いていません。

ガルガーネガ

主にイタリアのヴェネト州で栽培されている品種で、人気のワイン「ソアヴェ」にも使用されています。

色は黄色がかった麦わら色や緑がかったものがあります。

アルコール分が少なく、フレッシュなアロマがあり、アーモンドやチェリーのような香りを持っています。

さっぱり辛口ながらもソフトな味わいのワインになります。